HTMLやCSSはある程度分かるようになったけど、WordPressのテーマの中身がチンプンカンプンという方のために、テーマの中身が理解できるための基本的な知識についてお話していきます。
WordPressの管理画面内で編集できるテーマやプラグインのソースコードというのはphpというプラグラムで書かれています。これらを理解しようと思ったら、phpの他にphpを使って定義されているWordPress独自のクラスや関数についても理解する必要があります。
- phpの基本を理解する
- WordPressのクラスや関数の使い方を覚える
ここでは、「1」のphpの基本についてお話していきます。
コンテンツ
phpの基本
phpタグ
phpは、開始タグ(<?php
)と終了タグ( ?>
)の間に記入します。これはHTMLのタグと同じですね。
変数
変数とは値を入れる「箱」のようなものです。「$変数名」みたいな形で変数の頭に「$
」を入れる決まりになっています。例えば、
<?php $var = 'こんにちは'; ?>
と書くと、変数$var
に「こんにちは」という値を格納したことになります。これはあくまでも「値を格納した」だけですので、このプログラムを走らせてもページ上では何も表示されません。
変数に入っているものをブラウザ上で出力したい場合は、下記のように書きます。
echo $変数名;
関数
関数は複数のまとまった処理をさせて戻り値(実行した結果・答え)を返すためのものです。
関数は次のような形で記入します。
function 関数名 (){ 処理1; 処理2; 処理3; }
本来であれば、「処理1→処理2→処理3」という3つの処理を毎回、記入しなければいけないのですが、このように関数としてまとめることで、これらの処理を行いたいときに、関数を呼び出すだけで同じ処理が実行されるようになります。
関数の呼び出し
定義した関数を呼び出して処理したいときは下記のように記入します。
関数名();
引数(ひきすう)
上の関数のところで関数名のあとにカッコ「()」があることに疑問を感じた方もいるでしょう。
このカッコの中に入れるのが引数(ひきすう)といわれるものです。変数と同じように、引数名の手前には$
を入れます。引数について定義しようとすると抽象的な説明になってしまいそうなので、とりあえず下記のようなイメージで覚えてください。
こんな感じです↓
茹でる($食材){
鍋に水を入れる;
鍋を火にかける;
お湯が沸騰したら「$食材」を鍋に入れる;
}
こんな感じで「茹でる」という関数名を定義して、そこに実行したい処理を入れておきます。カッコ()の中には、引数として「$食材」を設定しておきます。そして、実際に関数を呼び出すときに引数に具体的な値を入れるわけです。
例えば、
茹でる(卵);
みたいに関数「茹でる」の引数に「卵」を入れたりします。
そうすると、「ゆで卵」という返り値が戻ってくる・・・。
実際にそんなことはあり得ませんが、引数というのはこんなイメージです。つまり、あとから具体的な値を入れて関数を処理できるものが引数です。なんとなく分かっていただけたでしょうか?
if文
if文は条件分岐して、条件に一致する場合の処理と、一致しない場合の処理を分けたいときに使用します。if文は何パターンかありますが、WordPressのテンプレートで見かけるのは大体下記の中のどれかだと思います。また、同じif文でも波括弧{}
で処理を囲むバージョンとコロン:
を使うコロン構文の2パターンありますので、両方のパターンを知っておくと良いと思います。
条件がひとつの場合
波括弧を使用
if (条件){ 条件が真の場合に処理を実行; }
コロン構文
if (条件): 条件が真の場合に処理を実行; endif;
何もつけない
if (条件) 条件が真の場合に処理を実行;
真と偽で2つに分ける場合
波括弧を使用
if (条件){ 条件が真の場合に処理を実行; }else{ 条件が偽の場合に処理を実行; }
コロン構文
if (条件): 条件が真の場合に処理を実行; else: 条件が偽の場合に処理を実行; endif;
何もつけない
if (条件) 条件が真の場合に処理を実行; else 条件が偽の場合に処理を実行;
条件が複数ある場合
波括弧を使用
if (条件1){ 条件1が真の場合に処理を実行; }elseif (条件2){ 条件2が真の場合に処理を実行; else { 条件が偽の場合に処理を実行; }
コロン構文
if (条件1): 条件が真の場合に処理を実行; elseif (条件2): 条件2が真の場合に処理を実行; else: 条件が偽の場合に処理を実行; endif;
何もつけない
if (条件1) 条件が真の場合に処理を実行; elseif (条件2) 条件2が真の場合に処理を実行; else 条件が偽の場合に処理を実行;
配列
変数が1つの値だけが入る「箱」だとしたら、配列というのは複数の値がキーとセットで入る「箱」です。WordPressでは、配列を「パラメータ」とその「値」として使ったりします。
一番よく使われている書き方、下記のようなものです。
$変数名 = array( 'パラメータ1' => '値1', 'パラメータ2' => '値2', 'パラメータ3' => '値3' );
例えば、WordPressで表示させる投稿を設定するときに、「投稿の並び順→あいうえお順」、「表示するカテゴリ→商品」みたいに、何かしら決められたパラメータに指定をしたいときに使われます。
=>
は、ダブルアロー演算子と呼びます。配列の一番最後の行以外は、行の最後にふドット「,」を入れます。忘れやすいので気をつけておいてください。
foreach文
foreach文はループ処理の一種です。
PHP
foreach(配列変数 as 変数){ //処理する内容 }
波括弧{}
を使わずに下記のように書くこともできます。
PHP
foreach(配列変数 as 変数): //処理する内容 endforeach;
例えばこのようにすると、
PHP
$profile = array( "出身地" => "千葉県", "好きな食べ物" => "寿司", "嫌いな食べ物" => "パクチー", ); foreach($profile as $key => $value){ echo $key . "は" . $value . "です。<br>"; }
配列の内容がひとつずつ処理されて出力されます。
HTML
出身地は千葉県です。<br> 好きな食べ物は寿司です。<br> 嫌いな食べ物はパクチーです。<br>
ちなみに、カッコ()
の中の変数をひとつだけにした場合は、
PHP
foreach($profile as $value){ echo $value; }
「千葉県寿司パクチー」という形で「キー」ではなく「値」の方が出力されます。
論理演算子
条件分岐をするときに、複数の条件の関係を設定したいときなどに論理演算子が役立ちます。
演算子 | 意味 |
---|---|
A and B | A および B が真 |
A && B | |
A or B | A または B が真 |
A || B | |
A xor B | A か B のどちらかのみが真 |
! A | Aでない |
おわりに
以上が、WordPressに触れてからphpを学びたいと思った方のための基礎知識でした。この記事は、必要だなと思ったことがあったら随時更新していきたいと思います。
あと、私もそこまでphpに詳しいわけではないので、もしかしたら多少、間違った説明をしているかもしれませんがご了承ください。